2009年3月 「おゆるしください」

ルカによる福音書 第23章34節

  いよいよ受難節(レント)。イエス様の十字架を深く思うときです。ところで、その十字架の周りにはじつにたくさんの人がいました。足元の兵士たち、両脇の強盗たち、通りがかりの人々、じっと様子を見ていた祭司長や律法学者たち・・・。その誰もがイエス様を侮辱し、大声でののしりました。十字架は、所詮「他人事」にすぎなかったのです。突き詰めれば、逃げた弟子たちにとってもそうでした。いや、私たちだってそうかもしれません。

  《お赦しください》――イエス様を侮辱し裏切った張本人がこう謝るならわかります。ところが、そう言ったのは侮辱され裏切られた当人だったのです。

  じつはここに十字架の真理があります。それは、人が「ゆるされて生きる」存在だということです。ゆるされざるものがゆるされる。ゆるされたおかげで今を生きている。そういう原点に気づくとき、人は自分の抱える闇と本当に向き合えるのではないでしょうか。そしてそのとき、闇は光となるのです。



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