2009年8月 「剣を打ち直して鋤とし」

イザヤ書 第2章4節

《剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする》――これはイザヤが見た「平和の幻」です。戦争の道具が農耕具に変わり、戦争も無くなる日……と聞くと、いかにも幻、現実から程遠い世界です。ただ、聖書の幻は現実の「先取り」、神様にだけは見えている、現実の一歩先に実現するはずの光景なのです。

 するとこの幻は、現代ならさしずめ軍縮や核廃絶のことになるでしょうか?それも大切なことです。ただ、聖書がまず問うているのは、心の中の「剣や槍」。差別、偏見、無関心に敵意、それを平和の道具に《打ち直す》ことなのです。

 そもそも平和の「平」は「平らにする」こと、「和」は「やわらげる」ことですね。ちょうど荒れ地を整えるようなものです。石ころを取り除いたり砕いたり、でこぼこを均(なら)して、畑を耕したり、道を作ったりする。イザヤが見た幻も、そんな「平和の道普請(みちぶしん)」かもしれません。そして平和は、まずは心の道普請から始まるのです。



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